2025/07/26 19:38
「外?それとも家?」という問いのその先に。
犬のトイレについて話すと決まって出てくる「家派?外派?」という話題。
どちらが正解なのか悩む方も多いのかもしれません。けれどそもそも正解なんてあるのでしょうか。
たとえば以前一緒に暮らしていた2頭の犬、E・コッカーとアイリッシュ・セター。彼らは完全な外派でした。台風の日も地震のあった夜も、毎日2回以上の散歩は欠かせませんでした。冬〜春は白馬で生活していたのでドアを開ければすぐ外。しかしながらそれ以外の季節は大阪のマンション暮らし。6階からエレベーターを待っても、大型犬なので人が居たら「お先にどうぞ」と何度もスルーしてやっと外に出る。そうした時間や段取りの中で犬の「今すぐに」という思いに応えられない日々でした。
排泄というほんの短い行為にどれだけの時間とエネルギーを費やしていたのか。介護期には室内トイレへの切り替えも難しく、心身ともに追い込まれるような日々もありました。
そんな経験を経て、今暮らしているAL(オーストラリアン・ラブラドゥードル)を迎える際に考え方を大きく変えました。
家か外か、という二択ではなく「どこでもできる」ように整える。
それは人と犬がともに快適に暮らすための新しい選択肢と試みでした。
「ワン・ツー」のコマンドで、飼い主が望むタイミングと場所で排泄を促す。もちろん犬にも都合があります。けれど習慣になれば、驚くほどスムーズにできるようになります。家での留守番中には決まった場所で排泄することも覚えてくれました。
この仕組みの一番の利点は、管理が楽になることだけではありません。
マーキングは無し。移動中の雨降るサービスエリアでも1分以内で済ませられる。衛生的で心にも余裕が生まれます。そしてなにより犬と一緒に行ける場所が増えるのです。
今振り返れば、かつての愛犬たちにも、同じようにできていたら。
犬は外で排泄するのが当たり前という固定観念のまま、選択肢を狭めていたのかもしれない。そんな想いがふと胸をよぎります。
大切なのは自分の暮らしと犬の心地よさ、その両方を見つめ直すこと。
どちらが「正しい」ではなく、どんな暮らしが「心地いい」か。
犬のトイレについて考えることは、わたしたち自身の暮らし方を問い直すきっかけになるのかもしれません。
