2026/05/31 18:24

散歩中、公園や住宅街で伸縮リードを見かけることは珍しくありません。
犬が自由に動き回り、好きな場所の匂いを嗅ぎながら歩いている姿を見ると、犬にとって良さそうと感じる方も多いと思います。

ではなぜ、多くのドッグトレーナーは伸縮リードを積極的に勧めないのでしょうか。
それは単純に手から外れやすく危険だから?伸ばしっぱなしでマナーが悪いから?という理由だけではありません。

私が使っているスリップリーシュやスライドカラーの考え方とは真逆で、伸縮リードは構造上、常にテンションが掛かっています。ここがポイントなんですね。なので、伸縮リードを使う方はハーネスを併用している場合が多いのです。
つまり、引っ張りを強化させてしまっているということ。

犬が前へ進めばリードは伸び、そして不意にロックされる。その繰り返しによって犬は混乱し、飼い主とのミュニケーションは薄くなります。

一見優しさを形にした犬具のように感じますが、興奮しやすい犬、反応しやすい犬、狩猟本能が強い犬、呼び戻しが瞬時にできない犬には向いていません。それらを理解していない飼い主さんも向いていません。
つまり初心者向けではなく、周囲の状況確認、犬の行動予測、リード長の管理、リーシュに頼らないコントロールができる犬と飼い主さんでないと使えない犬具だと思います。とはいえ犬を理解している飼い主さんで使っている人は見たことないけどね。


もちろん、伸縮リードそのものを否定するつもりはありません。
広い場所での探索や、状況によっては有効な道具でもあります。
ただ、ここで考えたいのは「優しさ=自由」ではないということです。
大切なのは、その道具が何を得意としていて、何が苦手なのかを理解することです。

ながら散歩をやめること。
犬が興奮する前に気づくこと。
犬が不安を感じる前に支えること。
犬がこちらを意識した瞬間に応えること。

散歩は犬を満足させる作業ではなく、関係性を育てる時間となります。
そして引っ張らずに犬は近くで、常にリーシュが緩んでいることが優しさだということ。